2008年 | 五窓歩の「洒落だぜ」

作品詩句

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  • ◆ 第1回 弥次北クラブ 甲州街道ワンショット  
       日本橋~調布   2008年2月24日
     
      日本海に低気圧が発生した23日、関東地方で昨年より9日遅く、春一番が吹いた。
      24日なっても、三陸沖の低気圧は発達を続け、各地で2日連続の強風が吹き荒れた。
      最大瞬間風速東京大手町26.4メートル。
      この強風で大手町では、ちりや砂が地面から吹き上げられ、遠くがかすんだように見える。
      「風塵」が‘06年3月以来、約2年ぶりに観測された。(毎日新聞より抜粋)
      そんな悪天候の中、甲州街道1日目を無事に終わった弥次北クラブ中年探偵団。
      追浜駅そば エルシャンテ にて打ち上げと思いきや、満席の為 石笑 に変更。
      お手ふきで顔をふいたところ、みんな真っ黒であった。
      男性はいいやネ、顔をふけて・・・とは女性の弁。

      ○甲州路春一番によろめいて
        ゴマチャンの前を歩く女性の一団ビルの谷間から強風おもわずよろめいていました。
        私ももう一度よろめいてみたいと言ったかどうか?

      ○ 自転車もバイクも寝てる春二番
        そのまんま!

      ○ もてるのはゴミぐらいなり川名ジイ
        強風の為、黒いゴミ袋が川名翁の顔面にまとわりついた。
        それを見ていた女性達が笑っておりました。

      ○ 明大に雁首揃えウォンテッド
        あれからうん十年、先輩、後輩、腐れ縁。解かるやネ・・・

      ○ 甲州路空徳利や二十本
        そのまんま!ゴマチャンは昼飲まないタイプなので次回は飲まないよ~んだ。
        飲酒徒行はアビナイのだ。バカボンのパパより

      ○ 幹事さん名所旧跡写真撮り
      御苦労様でやんす。

      ○ いつか逝く石のシャッポを右に見て徒歩徒歩歩む比丘の群れかな
        明治大学を過ぎて右手にあったよネ。
      比丘(びく)とは・・・修行僧のこと

     ○ ハイ、チーズ交番前は嫌われて
      団長さんとおまわりさんの押し問答、洒落の解からないおまわりさんだやネ!
      でも、最後におまわりさんがシャッターを押してくれた。

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  • ◆ 第2回 弥次北クラブ 甲州街道ワンショット 
        調布~八王子  2008年3月30日 

        天気はまあまあ、雨に降られず、良かったやネ。
        全員無事に帰れたみたい。桜もキレイでありました。

     ○ 魂(たま)神社枝垂れ桜や角隠し
      本当にきれいな枝垂れ桜でした。
      その左横の方で結婚式に向かう花嫁さん、負けずにおきれいでありんす。
      お幸せに・・・
      大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)武蔵国の鎮守として大國魂大神を祀ったのが
      はじめとされている。当時、府中六所宮といい、武蔵国の神社の中では最大の
      朱印地だった。(甲州街道・古道マップより)

     ○ 明春(みょうしゅん)の桜を愛でる野暮な奴
       勝手に解釈してくんなまし
       明春とは・・・来年の春

     ○ インスリン打ちて甲州花曇り
       お昼に前に座ったNさん、やわら取り出す注射針、ブスリと一発腹に指す。
       最長老お元気でやんす。見習わなくては・・・

     ○ ひと電車遅れて乗るはキップ族
       そうなんです。オイラもキップ族なんです。パスモは早いやネ~
       次回は団長さんに言われないようにパスモにしょ~と。大村さんもだよ!

     ○ 四コーナー回って桜しみじみと見てはロダンの考える人

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  • ◆ 第3回 弥次北クラブ 甲州街道ワンショット 
      甲斐大和~石和  14㎞  19名  2008年4月30日

       天候は晴れ! 桃や李、桜の花、キレイやねー
      歩き終わった後、風呂に入り十四名位の方は石和でイッパイ、お元気でやんす。

      ○ 甲斐大和駅長さんはツルッパゲつけてやりたや李の花を                       
      駅長さんシャッターをありがとうございました。
      四枚も撮ってくれましたネ。お帽子を取ると私と同じツルリンコうれしかったです。

     ○  甲斐大和過ぎてコロコロ桃の里
      昔の旅人はキット、キツイ笹子峠を終え、後は勝沼~石和となだらかな下り坂、
      ホッとしたと思います。荷車を転がせばコロリコロコロと転がって行くことでしょう。
      四月の頃は桜や桃、李の花を見て心おだやかに旅情にひたり、しばし桃源郷に
      遊んだことでしょう。(しかし、その当時桜や桃や李があったんかいな?)
     
      勝沼宿に旧田中銀行という登録有形文化財が建っていました。
      三浦藤沢信用金庫の前身と小林さんは言っておりました!
      インターネットで調べてくんなまし。

     ○  田中の中の縦棒取れば ゴマチャン大好き五ツ窓
       色々窓はありんすが 我は還暦鼠年
       毛なし、金なし、子種なし おまけに歯もなし、オナゴなし
       諸行無常や生老病死 だどもこの道おまはんと 
       歩き布団にくるまれば 見えぬ明日に花も咲く
       ここは勝沼甲斐の里

      ○ 古の甲斐に流るる笛哀れ 
       石和に流れる笛吹川、そのソバに笛吹権三郎の石像が建っていました。
       解説を見ますと・・・その昔、川が氾濫し母が流され、孝行息子の権三郎が、
       母を探しているうちに深みにハマッて亡くなったそうです。

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  • ◆ 第4回 弥次北クラブ 甲州街道ワンショット
      八王子~藤野   23㎞  16名  2008年5月18日
     
     ○ せせらぎをききて摺差冷奴
      小仏峠へ登る手前に摺差(するさし)という村に手造りのトウフ屋さんがありました。
      ちょうど前に休憩する所があり、みんなでひと箸づつ冷奴をつっつきました。
      そばには川が流れ、せせらぎを聞き、目には新緑、口にはトウフ、旅の醍醐味ですなぁ~

     ○ 春うららぶたの散歩に経を読み
      アリャリャ、前から豚が御主人様に連れられて、トコトコ歩いて来るじゃありませんか。
      すれ違う時、思わず豚さんに「オレ、昨日トンカツ食べちゃったよ」って言ったら、彼が
      私のほうをキッと睨みました。人間の言葉が解かるんですね。コワイ目でした。
      摺差から小仏峠へ向かう所でした。

     ○ 吉野宿馬頭観音花盛り
      小仏峠を終わり、今日の予定地、藤野へあと一歩という所、前にうら若き女性五名が、
      さすがに疲れたのか、縁石にドッカリと腰を落とし頭を垂れておりました。
      おもわずゴマチャンは前へ行き両手を合わせ、旅の安全を祈願。
      それを見ていた大村Lには大ウケでした。
      しかし、作句にあたり小仏五体か馬頭観音にしようか迷いましたが、
      大村Lにウケた事により、馬頭観音(座間・高野・石関・小林・高橋さん)といたしました。
      また大村Lは「姥桜にしろ」と言いましたが、あとがコワイので花盛りとした事をつけ加え
       ます。仲間にウケたら嬉しいな!

     ○ ひとはちりふたはちりぬるをわかかな
      弥次北クラブ甲州街道中年探偵団とは直接関係ありませんが、
      私の知り合いが三日間で三人亡くなりました。アーア無情ですなぁ。
      ご冥福をお祈り致します。合掌
      ところで、「いろはにほへと」に意味がある事を知っていましたか?
      ゴマチャンは六十年生きてきて知りませんでした。
      ただただ、すごい!と思いました。知らない方は調べてみて下さい。
      (ひとは・・・一葉)

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  • ◆ 第5回  弥次北クラブ 甲州街道ワンショット
      藤野~鳥沢  19㎞  15名  2008年7月20日 

      2008年2月24日 第1回の「甲州路空徳利や二〇本」を参考に書かせて頂きました。

     ○ 『船若湯』(はんにゃとう)
       え~毎度馬鹿馬鹿しいお笑いを・・・
      それにしても、このお暑い中、ようこそおいで下さいました。よっぽどお暇だったようで、
      まあ笑う門には福来ると申しまして、これも何かのご縁、頭ん中真白になるまでお笑い
      下さいましてお帰り下さい。
      ア!そこのお客様、今始まったばかりなんで、もう少し居てやって下さい。
      そんなに早く帰られちまいますと席亭からオメエの話はツマラネエなんて言われちまい
      まして高座に呼んでもらえなくなるっていう寸法。
      どうぞ御協力のほどを帰るといえば私も寄席が終わりましたら軽井沢の別荘なんか
      行ってオリンピックなんかをテレビの大画面かなんかで見たいと思いますが、
      どうも汽車賃がチョイト足りません。
      終わりましたら後にカゴを置いときますんで、
      ご遠慮なさらずに心づけなんぞチャリンなんて・・・
      足らないといえば、落語の世界ではハッさん、クマさん、人情味豊かでチョッピリ、
      ネジがゆるい。まあ江戸の長屋の花形スター
      「ご隠居、ご隠居」
      「なんだね、この暑いのに大声でクマさんじゃありませんか」
      「イヤーご隠居ご無沙汰しております。ところで、この暑いのにどちらまで」
      「どこへ行こうがお前さんには関係ないよ」
      「又そんな冷たい事言って、利根川かなんかでハゼでも釣って帰りに向島の芸者と
       テンプラで一杯粋なもんですネ」
      「バカだねお前は、人に言うんじゃないよ」
      「ヘイ!ところで、ご隠居話は違いますがハチの野郎ですがね、スゴイんですよ、
       この前も背負子に十貫目ぐれえ負って坂だろうが、谷だろうが、海の中だろうが
       一直線息も切らずに脇目も振らずダーと行くんですから」
      「まあ、ハチなら体も大きいし解からぬでもないな」
      「そうなんです。惚れ惚れします。
       まるで陸の巡洋艦トヨタのランドクルーザーってとこですかネ、
       今度からハチの野郎ランクルのハチなんて呼んであげますかネ」
      「ほう、ずいぶんとハイカラな名前じゃないか」
      「でしょう。それにハチの生業は馬力屋だからキット喜びますよ」
      「そうじゃな」
      「しかしご隠居、ハチの性分は直りませんかネ」
      「まあ持って生まれた性分だからのう」
      「そうなんですけんどネ、なんつったって直線的単細胞、我が道を行くイノシシ
       みていな奴でしょう。この前なんかマンジュウ屋のオヤジとやりあってましたから」
      「また、何かしでかしたのかい」
      「しでかしたっていうほどの事じゃありやせんが、ハチの野郎オヤジに」
      「ヤイ、オヤジ、マンジュウの丸いのが気にいらねえ。
       四角にしろなんてイキまいてましたかネ」
      「そりゃー面白いじゃないか」
      「でもネ、ご隠居、毎度毎度そばにいるアッシだってさすがに気恥ずかしいですよ」
      「お前の顔のどこに恥ずかしいなんていう事が書いてあるんだい」
      「チゲエネエ、まあ、ああいう野郎が居るから話にこまらないんですけんどネ
       実はご隠居、ハチの野郎は強力だけじゃなくてアッチのほうもメチャメチャ強いんで・・・
      イエネ、ついこの間もハチのカカアがアッシにネ」
      「クマさん、あんたも知っていると思うけど、私は死んじゃうよ。
       いい年こいて、うちの人はスゴイんだから、人間じゃないよ」
      「なぁ~んて、こぼしてましたけんど、その顔もマンザラじゃないように見えますけんどネ」
      「ほう、そんなにスゴイのかい」
      「すごいのなんのなんて言う、なまやさしいもんじゃありゃせんよ。
       草木も眠る丑三つ時、ゴーンじゃなくてアアアーなんですから
       イエネ、カカアじゃなくてハチの野郎の雄叫び。まるでターザンの再来。
       まあアッシは隣同士ですから慣れていますけんど、先月なんか親類の子供が訳あって 
       泊まったんですけんど、あの野郎おっぱじめやがって、あまりのスゴサに子供が
       引きつけ起こしちまいやがって危うく命を落とすとこだったんですから」
      「ズイブンと大げさな話じゃないのかい」
      「そんなこたあネエですよ。
       この間も浅草の観音様が座禅が組めねえってぼやいてましたから」
      「馬鹿をおいいでないよ。それにしても、そんなに聞こえるのかい」
      「聞こえる、聞こえないなんてもんじゃございやせん。
       なんつったってケチな大家の安普請、壁なんてのは名ばかり、板切一枚、ふし穴から
       アメリカが見えるっていうしろもんですから、風が吹いたら皆んなでブラサがって屋根
       が飛ばねえようにするんですから
       この前なんか首吊りした野郎を重石替わりにしばらくそのままにしときやしたから、
       よくあれで家賃を取ろうなんてフテえ大家ですよネ、ご隠居」
      「オイオイ、クマさんや、いやなら出ていきゃいいだろ」
      「ア!イケネエ、ついと話に夢中になって大家さんが居る事スッカリ忘れちまいやした、
       藪つっついてヘビ出しちまった」
      「何か言ったかい」
      「イイエ」
      「まあいいとして、クマさんや、今家賃の話をしとったけど、お前さんのところ家賃が
       三年もとどこっているという話じゃないか」
      「アイスイマセン、さすが大家さん博学で」
      「おだてたってダメだよ」
      「ヘイ、江戸城の仕事が暮れまでに片付きやすんで、年の明けねえうちに
       耳そろえて奥様のほうへお届けいたしやす」
      「そうしておくれよ、私だってカスミを食べて生きている訳じゃないんだから、
       ついでにハチにも半年とどこおっていると言っといておくれ」
      「ヘイ、キッチリと言っておきやす」
      「そうしておくれ」
      「話のついでにご隠居、ハチの野郎の話もう一つ聞いておくんなさい」
      「な~なんだね」
      「イエネ、アッシは仕事の時も、遊びの時もお天道様が居る間は好きな酒を飲まない
       性分なんですがネ」
      「オオ、そういえばお前さんはめずらしく飲まない性分だな」
      「そうなんです。でも、十日ほど前のウダるような暑い日、十人ばかりで浅草に
       芝居見物に行こうてんで出かけたんですがネ」
      「ほう、たまには息抜きいい事じゃありませんか」
      「そうなんですがネ、歩いて二里ばかり行った所で少し休もうてんで、寺の境内に座って
       手拭いで顔を拭き終わったところ、ハチの野郎がオイラの鼻っ先にチベタイ酒を持って
       きやがって、プシューと開けやがって、飲むけいって言いやがるんですよ」
      「オオー、親切じゃありませんか」
      「イエネ、野郎は親切ごかしにアッシの意気地のなさを見越して
       試そうっていう算段なんですよ」
      「そうかい、じゃあ飲まなかったんだろう」
      「冗談じゃありやせん、こっちとら親子三代続いた江戸っ子据え膳くわぬは男の恥と
      青い空に、めいっぱいアゴつき上げて」
      「飲んじゃったのかい」
      「飲んじゃったんですよ」
      「泣くこたあないじゃないか」
      「これが旨えのなんのって、華厳の滝と那智の滝を引っかき回して、
       いい女のケツペタぶちかけたような味でこたえられやせん」
      「どんな味だネ」
      「飲み終わってプファーといったその時、ハチの野郎と目が合っちゃたんですよ
      野郎の目がネ、ざまあみろっていう目をしているんですよ
      ご隠居、どうしてアッシは我慢が出来ないんでしょうかネ」
      「あたしゃ知らないよ、でもいいじゃないか暑い日に冷えた酒、それに芝居見物」
      「そうなんですけんど、ハチの目に見すかされているというか、読まれているというか、
       そういやハチの野郎は読み書きが出来るからネ
       アリャー、エライネ!アッシはチンプンカンプン
      でも言ってやりやしたよ、やい!ハチ、これは船若湯じゃねえぞ、ビールだって!」
      おあとがよろしいようで・・・ テンテンテレテレチンドンドン
      さて、ハチは誰でしょう?クマは誰でしょう?

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  • ◆ 弥次北クラブ甲州街道中年探偵団とは直接関係ありませんが、2008年4月1日
     「按針のまち逸見を愛する会」の会報「按針新聞」が発行されました。
     編集委員の鈴木さんから「心粋」(心意気)というお題で書くように命ぜられ、
     書かさせて頂きました。
      「按針のまち逸見を愛する会」では、個人会員・・・年間1,000円 募集中

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