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逸見在住の吉江宏さん(66)がこのほど、江戸時代初期に徳川家康の外交顧問として活躍したイギリス人ウィリアム・アダムス(日本名=三浦按針)の生涯や時代背景を紹介する解説書『ミステリアスな英国人 新説 三浦按針の話』を自費出版した。子どもでも読みやすいよう漢字にルビをふったり、写真やイラストを多用したりと工夫を凝らしている。按針の功績を広く伝え、若い世代にも興味をもってほしいと願いを込める。
吉江さんが按針のことを本格的に調べ始めたのは、定年を迎えた6年前。「逸見は日本で唯一、外国人の按針が領主として治めていた場所です。なぜ家康が按針に250石(の土地)を与えたのだろうと不思議に思ったのがスタートでした」と振り返る。
吉江さんが按針のことを本格的に調べ始めたのは、定年を迎えた6年前。「逸見は日本で唯一、外国人の按針が領主として治めていた場所です。なぜ家康が按針に250石(の土地)を与えたのだろうと不思議に思ったのがスタートでした」と振り返る。

同書では、按針の生涯をイラストと写真を交えながら解説。リーフデ号で苦難の航海の末に日本に到着し、家康に出会ってから長崎県の平戸で生涯を終えるまでを追っている。按針が『ガリバー旅行記』の主人公、ガリバーのモデルだとする説も紹介している。

<教育者の視点で編集>

現役時代、小学校の教員だった吉江さんの教育者としての視点もふんだんに盛り込まれている。単に知識を与えるだけではなく、フィールドワークと題して、京急逸見駅から按針の供養塔がある按針塚までの地図も入れている。
さらに、按針にまつわる吉江さんなりの仮説を加えているのも特徴だ。そのひとつが、リーフデ号に積まれていた武器を家康が関ヶ原の戦いに使用したのではないかというものだ。「(家康が)大阪城で按針と会った際、西洋の近代的な大砲などを手に入れたいと思ったのでは」と吉江さん。「もしもその時に石田三成と会っていたら、武器が西軍に渡り、家康が負けていたかもしれません」と展開する。
そうした仮説や想像をあえて書いたのは、子ども達に主体的に調べてほしいという思いからだ。「自分から動いて現地を歩いたり、史料を読んだり、想像力を働かせた方が面白いからです」。按針を通じて地元を盛り上げたいという願いと、教育者として子どもを思う気持ちで1冊にまとめあげた。

同書は500部製作。定価1700円だが、「公共の目的で使う場合は無料で差し上げます」と話している。 詳細はメールで【メール】hiromi_go@hiromi-go.netへ。